幻獣機格納庫

幻獣機の清掃員が幻獣機の話をするブログです。

ドラゴサックコピペ

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主戦場、AREA-0で迎えた閃刀姫戦
先発テザーウルフが無限泡影、後半も勢いを見せず惨敗だった
空母に響くスタッフのため息、どこからか聞こえる「今年は100敗だな」の声
無言で帰り始める機体達の中、我らが空軍のエースドラゴサックは独り格納庫で泣いていた
WCSで手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト・・・
それを今の環境で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」ドラゴサックは悔しオイルを流し続けた
どれくらい経ったろうか、ドラゴサックははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい格納庫の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って緊急発進をしなくちゃな」ドラゴサックは苦笑しながら呟いた
立ち上がってエンジンを入れた時、ドラゴサックはふと気付いた

「あれ・・・?軍歌が聞こえる・・・?」
格納庫から飛び出したドラゴサックが目にしたのは、地上まで埋めつくさんばかりの幻獣機だった
千切れそうなほどに軍旗が振られ、地鳴りのように幻獣機達のエンジン音が響いていた
どういうことか分からずに呆然とするドラゴサックの右翼に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「サック、緊急発進だ、早く行くぞ」声の方に振り返ったドラゴサックは目を疑った
「レ・・・レドックス?」  「なんだサック、居眠りでもしてたのか?」
「タ・・・タイダル?」  「なんだドラゴサック、かってにタイダルを引退させやがって」
「ブラスター・・・」  ドラゴサックは半分パニックになりながら隊列図を見上げた
1番:焔征竜ーブラスター 2番:No.11 ビッグアイ 3番:虚無空間 4番:巌征竜ーレドックス 5番:爆征竜ータイダル 6番:幻獣機ドラゴサック 7番:光と闇の龍 8番:嵐征竜ーテンペスト 9番:エフェクト・ヴェーラー
暫時、唖然としていたドラゴサックだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
ウォーブランから幻獣機トークンを受け取り、戦場へ全力飛行するドラゴサック、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・

 

翌日、格納庫で冷たくなっているドラゴサックが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った